アンブシュア
アンブシュアでどれだけ悩み、どれだけの書籍・雑誌・先人のアドバイスを受けたことか。その度に挫折。なぜなのか。その原因と対策を考えていきたい。
【マウスピースを唇に押し付けない】
このアドバイスがどれだけ私の成長を阻んだか・・・。今ではマッピを唇に遠慮なく「固定」し、そして以前よりもずっと「いい音」を出していると思う。
【マウスピースは唇に軽く固定しよう】
「固定」することにより、唇は安定するのだ。ただし闇雲に固定すればいいというわけではなく、もちろん注意点はある。「押し付ける」こととも少し違う。安定するよう、息が漏れない程度に唇を「軽く押さえる」という感覚が大事だ。
- 上唇の真ん中「富士山の頂上」の部分をリムの内側に「引っ掛け」、「富士山の頂上」がカップから逃げ出さない程度に「固定」する。その力加減の中でマッピを唇にできる限り「軽く当てる」のである。
- 下唇も重要で、赤い部分を「かるく」下の歯の内側に巻き込むようにセッティングする。そしてアパチュア(空気が通る唇の隙間)が自然に閉じるように下あごをセット。なお、私の場合は、上唇中央部の突端が下唇の中央部赤い部分に覆いかぶさる形になる(※ページ末参照)。これは下唇を巻き込んだ際の必然的な帰結である。
- 下唇はマッピに対するクッションの役割をするので、決して横に広げない。むしろ中央にすぼめる。
- 土台となった下唇にその両端を固定された上唇は、完全に力の抜けた状態でなければならない。
- 口の中の容積は広めに取る。「ほ」の形をイメージ。
- したがって上歯と下歯の隙間は人差し指が入るほど開ける。
以上がセッティングだが、マッピを口に当てたときには唇は「自然に閉じた」形でなければならない。「閉じる」ではなく、「自然に閉じる」である。したがって息が送り出されることで、「自然にアパチュア(空気の通る唇の隙間)が開く」形となるはずだ。音を出すという意識ではなく、肺から口腔内にかけての圧力を高め、息は自然にアパチュアから逃げていくという意識が大事だ。唇は空気の流れに対し、完全に受け身でなければならないのだ。また、「固定する」ことにより唇の周りの筋肉はリラックスできるはずなので、そのあたりを意識して息を送る必要がある。リラックスのための固定と心得よう。
ちまたでよく言われるのはマウスピースでの練習であるが、本来ラッパの抵抗があるからこそラッパは音を出すのである。マッピでの音がそのままラッパに反映されるわけではない。マッピのみで練習するとしても「息を送る」のみにしたい。
【音を出す】大切なのは肺から口腔内にかけて圧力をかけることで自然と息が流れていくこと
次にいよいよ音を出すわけだが、まずはタンギング無しで音を出してみる。肺から口腔内にかけて圧力をかければ息は逃げ道を探し、自然にアパチュアが開くので、初めはスーという息が流れるのみ。その延長で音を出すのだ。とりあえずはミドル「ソ」でも「ド」でも、出しやすい音でよい。
また、しっかりと「音質」を聴くことが大切である。しっかりベルの先から音が出ているであろうか。いわゆる「いい音」というのはベルの先から出ている感触がある。ベルの先から出ていない時は、ラッパの中で音が鳴っている感じがするはずであり、それはアパチュアを締め付けているからであろう。唇をリラックスさせたうえで圧力をかけて音を出しているならば、自然とベルの先から音は出るものなのだ。すぐには「音が前に飛ぶ」感触はないかもしれない。しかし1週間もすればかなりいい「音質」になるはずである。最も音が遠くに飛ぶその「ツボ」をつかむ必要がある。
ラッパがしっかり鳴るようになったらしだいに音量を落としていこう。ただし、小さな音でも豊かになる必要がある。「こもる」ことがないようにしっかりと音質を確認しよう。そして音に「まとまり」を作っていくのだ。
【まとめ】
「マウスピースを押し付けない!」
「マウスピースで練習!」
これがどれほどの普遍性を持つ奏法なのかは知らないが、有名なミュージシャンの演奏中の写真を見てもかなりマウスピースが唇に結構めり込んでいる。
「マウスピースを押し付けない!」は理想の形なのかもしれない。しかし、ある程度音域が広がって、楽に出せる音が増えてこなければこれは不可能だと思っている。初心者は遠慮なく「固定」しよう!
※下唇の巻き込みについて
下唇の巻き込みについては、以下のブログが参考になるかもしれない。
中川氏ブログ:「マウスピース相談会 百人百色」
2009/08/31 更新(2006/04/28作成)

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